「俺は―――…」
彼の口からこぼれおちた言葉。
淡泊な低い声には見合わない、
重くてひどく残酷なそれはわたしの頭のものを一切消し去って真っ白にしてしまった。
彼は無表情だった。
なめらかな頬が白くて、黒い瞳が虚ろで、薄い唇は色を失っていた。
ただ、無機質な彼がどこか安心したようにも見えたのは気のせいだったのだろうか。
わたしは、夢をみていたのかな。
ぼんやりと思う。
みじかくてあまい、残酷な夢を。
だとしたらこれは、あまりにも無情でむごい仕打ちだとおもう。
これは………
湊くん。
あなた以外の人を愛してしまったわたしへの罰なのですか?
「ひより、俺は…」
「だめ、それ以上は何も言わないで…」
わたしが愛したのは
かつてわたしの恋人だった彼を
殺めてしまった人だった。
彼の口からこぼれおちた言葉。
淡泊な低い声には見合わない、
重くてひどく残酷なそれはわたしの頭のものを一切消し去って真っ白にしてしまった。
彼は無表情だった。
なめらかな頬が白くて、黒い瞳が虚ろで、薄い唇は色を失っていた。
ただ、無機質な彼がどこか安心したようにも見えたのは気のせいだったのだろうか。
わたしは、夢をみていたのかな。
ぼんやりと思う。
みじかくてあまい、残酷な夢を。
だとしたらこれは、あまりにも無情でむごい仕打ちだとおもう。
これは………
湊くん。
あなた以外の人を愛してしまったわたしへの罰なのですか?
「ひより、俺は…」
「だめ、それ以上は何も言わないで…」
わたしが愛したのは
かつてわたしの恋人だった彼を
殺めてしまった人だった。
