ポンっと足で地面を蹴り、ブランコを漕ぎ出した真人は、 どんどん空に近くなっていく。 私も少し足で揺らすと、ギコギコ音がなり、なんだか幼かった頃を思い出した。 あの時は、特別好きな人もいなくて… 胸がチクって痛くなる事も、苦しい思いをする事も、なかったのに。 早く大人になりたいと言っていたけれど、 今思うとあの頃の方が、良かったのかもしれない。