そりゃあ、琴葉の家がここから近いから。 いくら夏で日が長いとはいえ、琴葉が1人で帰んのは心配だ。 まぁ、できるだけ俺も送って行こうとは思ってっけどな。 ひゅ〜っとぬるい風が吹く。 それが、なぜか俺を懐かしくさせた。 入学式から何ヶ月かたった頃。 俺は、前もよく見ないで歩いていた。 だから、廊下に出ていた人にぶつかってしまったんだ。 「あ、ごめー・・・っ」