「俺には忘れられない人がいるって、言ったよな?琴葉といると、すごく思い出すって…」
ゆっくりと話し始めた真人の言葉に、私は戸惑いながらも少しだけ頷く。
…わかってるよ。
その忘れられない人が、例乃葉なんでしょ…?
「さっき、ほんとうのことを聞いて。やっと…やっと思い出した。
入学式の日、クラスの場所がわかんなくてウロウロしてた、女の子のことを。
その子は、俺が場所を教えると、『ありがとうございます』って、優しく微笑んだ。
その琴葉の笑顔に俺は、一瞬で一目惚れしてたんだ。」
…え……?
わ、たし…の…?


