でも、それでも。 この本当の気持ちを、きっと隠すことはできないから。 我儘で、勝手で、バカだけど、 これだけは伝えさせてください。 廊下を走って、4階の空き教室へと急ぐなか 頭の中では、 琴葉の俺にみせたいろんな表情が、グルグルと回っていた。 相談相手になってとお願いしたときの、びっくりしたような困った表情。 授業中に、バレないように回した手紙をみて、クスッとはにかんだ笑顔。 俺が初めて相談をしたときの、なにかを堪えているような泣きそうな表情。