真人side


『わたし、真人のいう“あの人”が誰なのか、知ってたの…』


資料室で明かされた、思いもしていなかった事実。


それは…


俺がずっと想っていた、“あの人”が…



琴葉だった、



ということ。


驚きすぎて、すぐには信じられなかった。


でもそうだとしたら、今までの全ての辻褄が合った。


好きになった理由が、“気がついたらなっていた”という曖昧なこと、


琴葉の声、笑顔が、ふとした瞬間懐かしく感じたこと、


琴葉といるときに限って、“あの人”を思い出していたこと。


全部、全部ー…