息が上がったまま、空き教室と呼ばれる一つの教室の前に立ち扉に手をかける。


”例乃葉も真人のことが好き”


この可能性がでてきた時から私は、ずっと例乃葉をなんとなく避けてきた。


その可能性が本当だと、本人の口から聞くのが怖かった。


ずっと………逃げてたんだ。


『ずっと応援してるから。』


私はそう言ってくれた例乃葉を、信じることが出来なかった。


親友と言ってくれた、例乃葉の言葉を…


例乃葉、ごめん…


私が弱いせいで、たくさん傷つけた。


でももう、絶対に…


絶対に、逃げないから…!!


私はゆっくりと、大きな不安と決意を胸に、


恐る恐る扉を開けたー…