“真人”って呼び捨てにしてた事もモヤっとしたし、 何でそんなに聞いてくるの?っても思った。 けどその声の裏には、なんだか優しさがあるように感じて 私は柚乃さんに、全部を打ち明けていたんだ。 「ふ〜ん。で、今ここにいるって事は、例乃葉さんとの約束場所には行かないってこと?」 「それは…」 言葉が続かなく黙り込んでしまい、少しの間沈黙が流れる。 その静寂の中ゆっくりと話し出したのは、どこか寂しそうに壁に寄りかかる、柚野さんだった。