琴葉side

上を見上げると、真っ青な空が広がっている。


鳥達が、その空を気持ち良さそうに横切っていった。


私は、宮本高校2年、瑞原琴葉。


この日は、いつもと同じありふれた日だった。


…たった、この時までは。


「あ、あぶねぇ!」


突然大きな声が聞こえて振り向く。


その瞬間、誰かとぶつかり地面に倒れこんだ。


「…い、…い、おい……!」


目の焦点が合ってくると、目の前にすっごく慌てた様子の男の子が見えた。