「琴葉、行きたいの決まってない?」 「え、あ、うん…」 「じゃあさ、今日はいつもはあんまり行かないやつとか、たくさん乗ろう!」 「え?」 「だってさ、その方がいろいろできて、なんか楽しいでしょ?」 そう言って、真人はニカッと笑った。 その方が、“楽しい” 私が緊張して、あんまり楽しめてないってわかったのかな…? いつも真人は優しい。 ここの遊園地の切符だって、私の分まで前売りで買っててくれたんだ。 「…うん!いっぱい乗ろう!!!」