「…つーか、俺 何でお前に熱く語っちゃってんの?」

「…え?」

「もう寝るわ…」

わけが分からない…

だけど寂しそうな背中に思わず声をかけてしまった。

「…貴はパパさんと離れて暮らして、会いたいとは思わなかった?」

「さぁな。でも寂しくはなかったと思う」

…?

貴が部屋に戻った後、あたしはママのラジオを聞いていた。

うちも母子家庭だし、“父親”てものがよく分からない。

だけど、まだ手に届くところにいるなら 少しでも距離を縮められるなら…

さっきまでソファーで寝ていたからなのか、それとも余計なお世話とは分かりつつもお隣の件を考えていたからか

その夜はなかなか寝付くことができなかった。