「…男同士の約束できるか? もし、俺に何かあったら その時は絹香のことはお前が守ってくれ」


血で染められた大きな手が彼の汚れた頬に触れる。


「でも 僕、恒兄がいないと」


「大丈夫… お前のことは俺が見守ってやるから…!」


それが彼らの最後に交わした最大の約束。


あれから十年以上経つのに、何かの暗示のごとく夢で繰り返される。


そしてそれは今日も…