「店長がはやく来月のシフト希望表出せだってさ」



「あー、出す出す。矢野今日入ってるよな?俺休みだから、これ店長に渡しといて」


そう言って昨日書いたシフト希望表を渡すと、矢野はそれを見て目を丸くした。



「えっ?ほぼ毎日入ってるじゃん」


「大丈夫だよ、店長にも出来るだけ多く入りたいって伝えてあるし」



「そうじゃなくて。
これじゃ遊ぶ時間全然なくない?」




ああ、そういうことか。





「別にいい。
俺目標あっから」



「目標?」




「おー」




「なにそれ?」




「バカ、教えねーよ」





そう。



俺には目標がある。





すげー大事な、目標が…。






「ふーん?まぁいいや。
じゃぁこれ、たしかに預かったから」



「おぉ、頼むなー」




矢野は少し腑に落ちなそうな顔をしていたけど、俺のシフト表を持って席に戻っていった。