「違うって何が?」




なぜか涙まで滲ませはじめた柏木にイライラしながらそう聞くと




「だからー、湊があの子との幼なじみって壁を壊したいのは分かるけど。

おまえがやってることは、なんか違うって言ってんの」




「…まじか」






家が近所で、年も同じで、親同士も仲良くて。



まるで当たり前のようにずっと近くにいた希咲と俺。




…昔は幼なじみって関係をラッキーなんて思っていたこともあった。




幼なじみってだけで、無条件にずっと近くにいられるような気がしてた。




でも、段々…




気付いたんだ。






幼なじみって関係が、逆に俺にとって足枷になってるって。