そしてあたしは今、急いでE組に向かっている。



電話したけど出ないし、ラインして「見てねーし!」とか後で文句言われるのも面倒だから、




直接一誠には断りに行くことにした。





それにしてもホンット遠いなぁ、E組…





「よし、ここだっ!」




こっちの棟にはあんまり来ることないから緊張する。




E組の教室のドアを開けようと、手をかけた時





「湊、しょっちゅうA組行ってるけど、アレなんで?」




中から男子のそんな声が聞こえてきた。




湊って一誠のことだ。





「あー、俺A組に知り合いいるからさ~」




続いて一誠のそんなお気楽そうな声。





知り合いって、あたしのことだよね…



一誠A組来ても、あたし以外の人と話してるの見たことないし。




「知り合いって?」



「おー、幼なじみ」



「幼なじみ!?」




一誠の友達らしき男子の声が、急に大きくなった。




「幼なじみって…もしかして女!?」



「…そうだけど?」



「えっ!?おま、マジかよ~!?

美人!?芸能人だと誰似!?巨乳!?」





…うわー、男子ってサイアク。