「…なんだよ」
連れ出された廊下で、不服そうな表情を浮かべる一誠。
「なんだよ、じゃなくて!
あ、あんた今…なんか変なこと言おうとしたでしょ!?」
「…は?変なことって、」
「わかってる!!
あ、あれは別に…キス(超小声)とかじゃなくて!!
か、顔についたゴミを取ってくれようとしたとか…そういうことなんでしょ!?」
…それなのに、あたしが一方的に勘違いして、ビンタして…
「ご、ごめんね…」
「……なんで謝んだよ。
意味わかんねー」
あたしの謝罪に、グッと眉をひそめた一誠は
「きゃっ…!」
あたしの手首をつかんで、そのまま壁に押し付けた。
…え!?な、なにコレ!?
目を白黒させるあたしに、一誠が顔を近づけて、言う。
「わけわかんないこと言ってんな。
ゴミ取ろうとしたとか…そんなんじゃねーよ。俺、おまえにキスしようとしたんだよ。分かってんだろ?」