「答えろよ…」



一誠の切な気な瞳から目が離せず、じっと見つめ返した。



その中に、あたしが映っているのが見える。





…ねぇ、なんでそんなに切なそうな声出すの?



ねぇ、なんでそんなに、苦しそうなの…?






じっと見つめ合う一誠の瞳が、僅かに揺れた気がして





…ギ、と、一誠の座るパイプ椅子が音をたてる。






……あと、10センチ





……あと5センチ






あと、1センチ…








バッチーン!!!








「痛っ!!!」







あたしに頬を思い切りビンタされた一誠が、パイプ椅子から転がり落ちた。





「…な、なにすんだよ突然…!」




そして床に突っ伏したまま、あたしを睨む。




「ごっごめん!!

って…なにすんだよ突然、はこっちのセリフなんだけど!?



あんた、い、今、あたし…に…」






…さっきまでの行為を思い出すのと同時に、カァッと顔が熱くなる。





「いっ…



一誠のバカァー!!!」






思い切り叫んで、あたしは保健室から逃亡した。