「…は?」



「だ、だから忘れて?さっきのこと全部。
別に一誠にどうこうして欲しくて言ったわけじゃないの。ただあたしが言いたくて、どうしても…。
ごめんね、一誠にもう付き合ってる人がいるの知ってるのに。

だ、だから一誠は…蘭子ちゃんと幸せになって……じゃ!」



「え!?」





そして俺の腕を振り払うと、猛然とした勢いで廊下を走っていく希咲…




その背中を、俺はポカーンと見つめていた。





…付き合ってる人?蘭子ちゃんと幸せになって?






…全く、全然、1ミリも。意味がわからない…




でもとりあえず分かるのは




「…だから…待てって!」





今アイツを逃がしちゃダメだ。