乱暴に靴を脱ぎ捨て、靴下のまま廊下を全力疾走する。



そして屋上まで階段を駆け上がる…のはいいんだけど




くそ!ミスった。


上履き履いてくるべきだった…!
予想以上に学校の床が滑る…!



いや、今はそんなこと後悔してる場合じゃねぇ。早く希咲に…!


と思ったら、ダダダダッと上から物凄い音がして




「…希咲!」




次の瞬間には、目の前に希咲が現れた。




「…い、一誠…!?」




俺の顔を見た瞬間、ボッと顔を赤くする希咲。



だけどまた次の瞬間にはサァッ…と青ざめて




「…さ


さよなら!」




スルリと俺の横を、すり抜けていった…






…え!?





「ちょっ待てって!」




慌ててその腕をつかみ引き留める。





「お、おまえ……えーと…」





…引き留めたのはいいが



…俺自身、絶賛大混乱中でうまく言葉が出てこない。




希咲の腕をつかんだまま固まっていると





「わ、忘れて!!」




俺に背中を向けたまま、希咲が叫んだ。