☆一誠








「あたし多分、ずっと前から一誠のこと…幼なじみ以上に…



好きだったよ!!」






………え?





茫然とする、とはまさにこのこと。




突然屋上に希咲が出てきて、





何やってんだアイツ!?と思ってたらこの発言。






………えーと。



なんだか頭がよく回らない…




意味わからない…




アイツ今、何て言った?



俺のこと……?





「よかったな湊!」





以上です!と叫んで希咲の姿が消えたと思ったら、柏木がグイッと俺の肩に腕をまわして言った。



「…何が…」



「何がって何だよ。とぼけんなよ~。お前今告られたんだぞ、あの幼なじみちゃんに」



「…告られた…?」



「そうだよ、いや~ホントよかったな湊!ネチネチしつこく想いつづけてた甲斐があったってもんだな~」





…柏木の言ってることがよく理解できない。




なんだか体がフワフワして、よく意味が…





「…行けよ」




ボーッとアイツがいなくなった屋上を見つめてると、柏木が俺の肩から腕をはなして、ドンッと背中を叩いてきた。




「痛って…」



「信じられないなら本人に直接聞けよ。
いくら考えたってわかんねーよ、お前バカだし」




くそー、ネチネチしつこくとか、バカとかコイツの言うことはいちいち癪にさわる…





でも。その通りだ。






「…バカは余計だよ」





俺は生徒たちの列から抜け出して走った。





…よくわかんねーけど




とりあえず今は、希咲に会って話したい。