はぁ…




ヘナヘナになりながら席に戻ると、「今日もハマってたねー」とのんちゃんに苦笑いされた。





「まぁね…」



「希咲ちゃん」




その時、やってきたのは神谷くん。



神谷くんとは色々なことがあったけど…
あのボーリング以後も、変わらず友達としてあたしと接してくれている。




「蘭子が呼んでる」




神谷くんはそう言って、教室の入り口の方を指差した。




え…蘭子ちゃんが…?




慌てて視線をやると、教室の入り口のところに立っている蘭子ちゃんと目があって、軽く手を振ってきた。




…なんだろう?





「ごめんね、昼休みに。…ちょっと話があるんだけど…いい?」





蘭子ちゃんがどこか申し訳なさそうに言う。





「う、うん。いいけど…」





…なんだろう、話って。





蘭子ちゃんについて廊下を歩いていきながら、ひたすら考える。






…もしかして、また一誠とのことで、協力して欲しい、とか…。





…そうだ、あたし。まだ蘭子ちゃんに言ってない。




一番に言わなきゃいけない人だったのに…。






一誠のこと、もうただの幼なじみとは思えない…



もう蘭子ちゃんのこと、応援はできないって。