目の前であたしを見て固まっている一誠に




そんな一誠を見て、同じく固まっているあたし。






こんな家を出るタイミングがドンピシャなんて、今まで一度だってなかったのに…!





ど、どうする!?どうするあたし!?ここは何をどうするのが正しくて一体あたしは今何を求められてそもそも素直になるって決めたところであたしはつい昨日自分の気持ちに気付いたわけでまだ如何せん心の準備が全く出来てないわけでそもそも「…はよ」




「ハヨ!?」






反射的にそう返した時には、もう一誠の姿はそこにはなく。




バッと振り向くと、怠そうに歩いていく一誠の背中が見えた。






…ふ、普通に挨拶すればよかったんだよ…あたし。





置いてかれたのはポツーンと立ち尽くすあたしと、果てしない後悔。