目の前に整然と立ったままの10本のピンを前に唖然とするあたしに、神谷くんが微笑む。 「もうとっくに勝負なんてついてたんだよ」 そして、あたしにボールを手渡して。 「…だから次は希咲ちゃんの番」 「…え」 「いい加減素直になったら?」 パッと顔をあげると、優しい目をした神谷くんがいた。 その瞳はいつものように穏やかだけど… どこか、切なくて。 …もしかして神谷くん、わざと…?