「…ついにこれで、勝負が決まる」




呆然とするあたしの前で、神谷くんが投球の構えに入る。




「これで5本以上倒せば俺の勝利が決定だ」




えっ…そうなの!?




「ちょっ神谷くん待っ…」





あたしの制止の声が届く前に



神谷くんの手からボールが放たれて







ガコッ…








「……え?」








あろうことか、今まで安定して高スコアを叩き出していた神谷くんのボールは。




あっけなく溝にはまると、そのまま申し訳なさそうにピンの真横を通過していった。







……へ?