大森は鬼だ。悪魔だ。いつも肌色のTシャツ着やがって…服着てるのか着てないのか分かりにくいんだよっ!!!
心の中でそんな悪態をつきながら、教卓の上に高く積まれたノートを持ち上げる。
「重っ!」
のんちゃーん、と助けを求める意味でのんちゃんを見ると
無言で素敵笑顔を返された。
のんちゃんのバカ〜!
ヨロヨロしながらなんとか歩いて教室を出る。
ちょーーーっと授業をボーッとしてたくらいでこの仕打ち…大森絶対許さん!!
「希咲ちゃん」
その時、ポンッと後ろから肩を叩かれるのと同時に
フッと持っていたノートの山が半分以上なくなって
「手伝うよ」
目の前には、のんちゃんとは違う慈善の心に溢れた真の素敵笑顔…
「神谷くん…ありがとう!」
「いえいえ、早く持ってっちゃおうか」
ニコッと爽やかに微笑んだ神谷くんに大きく頷いて、2人並んで歩きはじめる。
…そういえば前にもあったな、こんなこと。