☆一誠side
「あぁ…最っ悪だ…」
体育のサッカー。試合練習。
言っとくが球技全般は大得意!なハズの俺…
今日は俺が足引っ張りまくって負けた。
ていうか、ありえないミスを連発…
「はぁぁ…」
落ち込んでいると、タオルを持った矢野が駆け寄ってきた。
「お疲れ~!」
「お~。って何してんだよ矢野。授業は?」
「今ちょうどあたしのチーム休憩なの。
っていうか見てたよ、ゲーム!なんかいつもの湊くんらしくなかったね~」
「…あ~…まーな…」
ありえないパスミスの連続に、
あげくの果てにはオウンゴール…
ボーッとしてたら急にパスが回ってきて、
反射的に蹴ったら見事自分のチームにシュートしてしまったという。
もはやギャグだった。
俺のチーム誰も笑ってなかったけど。
「どっか具合が悪いとか?なんか顔色も悪いよー…」
ため息ばっかりの俺を、本気で心配してくれているらしい矢野。
「あー…別に…」
「…そっか」
矢野はまだ心配そうな顔をしていたけど、自分のチームの番が回ってきたらしく、慌てて戻っていった。
「……はぁ……痛っ!」
「おまえ…ミスしまくった分際で女子とイチャついてんじゃねーよぉ~!?」
一人になった瞬間、再びため息をついた俺に背後から突然の衝撃。
振り向くと、どうやら柏木が俺の背中にとび蹴りを食らわしたらしい。