「うん!今日の朝、ダメ元でもう一回誘ってみたの。そしたら来てくれるって!」
「そ、そうなんだ…」
一誠、昨日は聞く耳も持たずって感じだったのに。
「それで、日にちは今度の日曜日ってことになったんだけど、希咲ちゃん大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫だよ!」
頷くと、嬉しそうに蘭子ちゃんが笑った。
「よかったー!時間とかはまた連絡するね!あ、夏樹にも言っといてくれる?」
「うん、了解」
「じゃーねー!」
「誰あの子?」
パタパタと走り去る蘭子ちゃんを見ながら、聞いてくるのんちゃん。
「神谷くんの幼なじみで…一誠のバイト仲間で、同じクラスの子」
「へーえ。
もしかしてあの子、湊くんのこと好きなの?」
「えっ!?」
な、なぜそれを!?
驚くあたしに、フフ、とのんちゃんは不敵に笑う。
そしてバシッとあたしの背中を叩いた。
「負けんなよっ」
「え、何に?」