――グ~キュルルルル…



や、やばっ。



突如マヌケな音をたてたお腹をあたしは必死でおさえた。


そしてそっと周りを窺う。




皆ノートを取るのに必死で、どうやらあたしのお腹の音は届いてないみたいだった。




よかった…。




4時間目、数学の時間。




一日で最もお腹のすいてる時間に、一番苦手な数学なんて、なんて最悪な時間割なんだろう。





そんなことを思いながらボンヤリ黒板を眺めていると




「…じゃぁ、この問題を…高倉。解いてみろ」




バチッと先生と視線がぶつかって、ニヤリ、意地悪な笑みとともにそんなことを言われた。




えぇえ、あたしっ!?





渋々ながらも前に出て、チョークを持つ。





って…この問題、超応用問題じゃん。




まだこの単元は基本しかやってなくて、しかもあたしはものすっごく数学苦手なのに。




こんなの解けるはずないよ…!