カシャン、と音がして外を見ると。 バイトから帰ってきた一誠がちょうど、自転車から降りたところだった。 …よしっ! 「お母さん、あたしちょっと出かけてくるね!」 「どこに?もう夜遅いよ」 お煎餅片手に、玄関に顔を出すお母さん。 「…ちょっと、一誠んち!」 「あ、そー。珍しいじゃない。いってらっしゃっい」 「いってきまーす!」