その時チャイムが鳴って、矢野さんは慌てて立ち上がった。 「あっごめん!昼休み終わっちゃったね!」 「や…全然」 あたしもまだ飲みかけのジュースを持って立ち上がる。 「そうだ、高倉さんのこと、希咲ちゃんって呼んでもいい?」 「あ、うん!もちろん」 「ありがとう!あたしのことも名前で呼んでね! じゃぁあたし、次音楽室だから…! またね!」 明るく手を振って、パタパタと走っていく矢野さん…じゃなくて、蘭子ちゃん。 …これでよかったんだよ。 なのに、何でこんなに モヤモヤするんだろう。