「でも…湊くんには悪いけど、高倉さんがもし湊くんのこと、幼なじみ以上に思ってないんだったら、」



真剣な顔つきに変わった矢野さんが、じっとあたしを見つめる。





「あたしのこと、応援してくれる…?」





不安そうな矢野さんの声。






…あたしは一誠のこと




ふった。





だから、好きじゃない。




だってずっと幼なじみだった一誠のこと、幼なじみ以上には思えない…






「高倉さん?」





矢野さんが反応のないあたしの顔を、覗き込むように見る。






「応援…してくれない?」






ここで“応援しない”の選択を



する理由なんてないよ…ね?







「…応援、するよ」




「ほんと!?よかったー!
高倉さんにそう言って貰えてホッとした」





パッと華やぐ矢野さんの顔。






…これでいいんだよ。