「おまえ、この俺にそんな態度取っていいのか?」



座椅子から突き落とされた一誠が、あたしを睨みながら軽く右手を挙げた。



そこに握られていたのは




「ミスド!?うそ、買ってきてくれたの!?」



「ふ、感謝しろよ?」



「ありがと一誠~!あっ、よかったら座椅子座る?」




一誠に座椅子を譲ってミスドの袋を開けると、そこにはあたしの好きなドーナツばかり並んでいた。




「さっすが一誠、あたしの好みよく分かってんじゃん!」




さすが、幼なじみだけあるね。




「まーな、お、お前のこと誰より分かってんだよ。俺はな?」



「あれっ、このドーナツ見たことない!新作!?」



「おー、なんか今日から発売だって」



「へー!」




あたしは甘いものの中でも、特にドーナツが好き。




あたしはさっそく一つ取って、




「いただきま~す!」




バクッと一口、噛みついた。





「…おっまえ、ほんと幸せそうに食うよなー」




一誠がそんなあたしを見てふっと笑う。





「そんなのばっか食ってるからデブるんだぞ」



「う、うるさいな…!最近気にしてるんだから、言わないで!」




…今日の夜腹筋しようかな。