突然出てきた思いがけない単語に、飲んでいたりんごジュースが逆流しそうになった。
「湊くんが他の女子に狙われてても、全く動じてないから」
「あー…うーん…まぁ、昔からだし…」
小学校時代から、既にモテていた一誠。
バレンタインのチョコを食うの手伝え、とか最悪なお願いをされたこともあるし
他の女子から一誠宛のラブレターを渡すのを頼まれたこともある。
一誠がモテてても、あぁまたか、という感じ…
「…じゃぁ、あたしが湊くんのこと好きでも、大丈夫だよね?」
「あーうん……え!?」
矢野さんの言葉を理解するのに数秒、時間がかかった。
バッと顔をあげると、恥ずかしそうに微笑む矢野さん。
「実はあたし…湊くんのこと、好きなんだ!」



