滅多に熱なんて出ないのに…もしかして…知恵熱!?
ベッドに潜り込んでそんなことを考えていると
「先生、ちょっと職員室行ってくるから。大人しく寝ててね」
先生はなんだか忙しそうに、保健室を出ていってしまった。
「はーい…」
なんて間延びした返事をした時には、もう先生の姿はない。
「…はあ……」
あたしはため息をついて、ゆっくりからだを起こした。
具合悪いはずなのに、なんだか寝ていられない気分。
落ち着かない…。
ふと目に留まったのは、パイプ椅子。
思い出すのは…あの日。
一誠と、ここで2人きりになった、あの体育の日。