「あの、昨日はラインありがとう」



神谷くんと並んで廊下を歩きながらお礼を言うと、山積みのノートを持ってもやっぱり爽やかな神谷くんは、ニッコリ微笑んだ。



「や、全然。
こっちこそ、返事ありがとう」



「いや…ていうか消しちゃって、ほんとごめんね」




やったのは一誠だけどね!




あの時のことを思い出すと自然に歪む顔。




あの時の一誠はいつもに増して、いつもの百倍、むしろ一億倍くらい、なんか変だった。



突然人のスマホを取り上げて操作して。



あげく人をベッドに押し倒して。




かと思ったら、突然の幼なじみやめます!宣言。





…からの、やけに他人行儀なあの態度。





あいつは一体何がしたいのか…