「もしもし、のんちゃん?今どこ?」



『さっきカラオケ着いて、今受付してるとこ』



「了解!あと5分くらいで着くと思う!じゃぁまた後で~!」




ピッとのんちゃんとの通話を切って、歩道橋の階段を駆け下りる。




なんだかんだ、カラオケって久しぶりかも。

最後に行ったのは一誠に無理やり「今猛烈にカラオケの気分だからお前も来い」とか言って、連れていかれた時だっけ…?


一誠とカラオケ行くと、自分が歌いたいのだけ永遠と歌って、全然楽しめないんだから。




今日は思いっきり、楽しむぞ~!!




なんて考えていた時だった。




「きゃっ…!!」




ズルッとすべった左足。



そのまま体が傾いて、まるでスローモーションみたいに地面が近づいてくる。



お…落ちる―――!!






グイッ…





「…はぁっ…間に合った」