「カズイ!このバカヤロ!!」
「やっ!」
ハッシュのゲンコツをくらい、パカンッ!と言う気持ちのよい音がカズイの頭からした。
その反動でコントローラーを落とし、カズイの操るキャラクターのネスが『穴』に落ちて死亡した。

「頭を叩けば文明開化の音がするってな!!」
ハッシュが訳のわからない捨て台詞をカズイに浴びせかけ、ようやく後の2人がただ事じゃないとゲームを中断してこちらを見た。
「これから自己紹介をします!気をつけ!!」
3人は立ち上がり、気を付けの姿勢をとる。
俺も思わずズボンの縫い目に中指を合わし、気を付けをした。
「礼!!」

「はじめまーす!!」
ハッシュの号令のもと、俺をはじめ3人が深々と一礼した。

「カズイ、新人のトモヒー。桜田トモヒロ。」
ハッシュが俺の肩を擦りながら紹介した。
「あ、吉田カズイです!よろしくお願いしまーす!」
少年野球でもやっているのだろうか、わりかし大きな声が部屋にこだました。
実際、吉田カズキとも聞こえるのだがハッシュの発音に従う事にする。
ちなみに服装は、オレンジに緑のボーダーが胸に入った長袖にデニムだ。