海の花は雪・2

「これ、呪文だから…」

と言って深谷君が、小さなメモ用紙を渡してくれた。

「うわ〜ドキドキするな〜」

「呪文を唱えたら、自分が海の中を速く進んでいるイメージをして…」

深谷君が魔法の使い方を教えてくれた。

「この魔法は、海底人なら誰でも日常で使っていた魔法だから…」

「じゃあ、フレアも?」

「うん…」

「何か、やれそうな気がしてきたよ」

「うん…じゃあ、自分の後についてきて…」

深谷君はそう言うと、呪文を唱えた。

「″マー・カイル・ユー・シエル・セー・リエル″」

オレも見よう見真似で、呪文を唱えてみた。

深谷君と一緒に唱えたせいか、上手く行った気がする…

何か変化がある訳じゃないんだけど…半信半疑でドキドキしながら足元を蹴ると、海の中を泳いでみた。

「軽い…」

すべるように海の中を進んで行く…まるで水の抵抗などないみたいだ…!