海の花は雪・2

「…何か深谷君も気にしてたけど、フレアとロイズが兄妹だった事と、オレが前世を思い出さない事って関係あるんですかね?」

「ああ、それね〜分かんないね…フレアの性格からして、ここまで引きずるとは思えないしね〜」

そう言って山形さんが、ジーッと自分の目を見た。

「…何かあった?」

「それが分かれば、スッキリするんですけどね〜」

「結構、笑っちゃうような理由だったりしてね〜?」

「ははは、ありえそう。深谷君が脱力するような理由だと、さらにいいですよね〜」

「ははは、何か目に浮かぶな〜思い出したら教えてね?」

「了解です…もしかしたら明日、宮殿に行ったら思い出すかもですよ〜?」

「それは楽しみだな〜」




その晩は明日に備えて、早く眠る事にした。

海底は楽しいんだけど、予想以上に体力を消耗するんだよなぁ…

魔法のせいかもと思うけど気のせいか、あの海…何かある気がするんだよな〜ま、いっか…

山形さんは筆が進むからと言って、食後も少し休むとすぐに執筆を始めた。

きっと今晩も、徹夜で書き続けるんだろうな…

そんな事をつらつら考えていると、いつの間にか眠りについていた…