「これは素晴らしい…夏と言ったら、うな重ですよね〜」

先生が、台ふきんでちゃぶ台をふきながら言った。

「夏バテ防止にいいんですよね〜確か」

ハルも楽しそうに、用意を手伝っている。

「はい…季節物に目がないんですよね、私…皆さん付き合って下さいね?それから足りないかと思って、ソバも取ってあるので」

「わ〜最高の組み合わせですね〜?先生」

山形さんがひたいに汗しながら、先生に微笑みかけた。

「そうですね〜」

今、何となく″食べ切れなかったら、よろしくお願いしますね?先生!″と、″了解しました〜″というやり取りがされたような気がする…

自分も思わず、ボリュームたっぷりのうな重のフタを開けながら、先生の方を見ると頭を下げてしまった。



「ごちそう様でした〜」

結局、大半のソバは先生のお腹におさまり、事なきを終えた…

先生は午後から仕事があるからと用務員室を出て行き、高田さんも仕事に出かけると、用のない自分達がてんや物の容器を片付ける事にした。