「行って来るね〜深谷君、修子ちゃん」

「うん」

「ムリをなさらないで下さいね〜」

山形さんは先生からカメラを受け取ると、首から下げた。

そしてテーブルの中央にある、モザイクタイルがはまっている所に手をかざすと先生を見て、

「え〜っと先生、『発動』でしたっけーーぇ?!?」

山形さんが言うやいなや、テーブルの中央が丸く穴が開いて、目の前から二人の姿が消えていた。

山形さんの叫び声が穴の中に吸い込まれると、穴は自然と閉じていった…

「行ってらっしゃ〜い、気をつけて〜」

先生が、いなくなった二人に向かって手をふった。

自分は言いかけたセリフを飲み込むと、先生の事を見た。

「…で、いったい何なんですか?」

「実は、これを見て欲しいんですよね〜」

そう言うと先生は、コントロールパネルを起動させた。

「…これは…」