「そういえば…」



私たちが最初に出会ったのって、旧図書室だったよね。



「懐かしい、…」



瞬間、私の心はあの空間の中。



煌めく木漏れ日の輝きと、少しの埃が混ざった独特のあの香り。



でもそれ以上に記憶を衝くのは。



柔らかさをふんだんに湛えた、先輩の香り。



初めて出会ったときは驚きと困惑と、小さな憤りしか持っていなかったけれ



ど。