―玲side―



「先輩、どうしましょう?」



「うーん、そうだなぁ…」



午後6時を目前とした香山家のリビングには俺と凛の声しか聞こえない。



それは ’’ これから ’’ について話し合うため。



まだ詳細を伝えたわけではないけれど、なにかと凛は俺を信頼してくれてい



る、と思う。



こっちからしたって信頼してくれるのは有り難い。



けど、どうもガードが甘いようで困る。



そう簡単に人を信じちゃいけないよ、と。



言えもしないくせに文字ばかりが脳裏に浮かぶ。



信じろと、大切にしろと言ったのは俺なんだから。