葬式が終わってすぐ。



漆黒から抜け出した私は、心臓と、足と手だけを動かして、ある場所へと向



かっていた。



「カーンカーンカーンカーンカーン」



遠くから聞こえてくる、いつもなら、耳障りなその音が。



今はお母さんたちに会えるカウントダウンみたいに頭に響く。



もっと、もっと速く。



急かす心が身体中に指令を出す。



額には汗が浮かび、背中にはベッタリとシャツが張り付いていた。



だけど、そんなことはこれっぽっちも気にならない。



グッと。



最後の一歩を蹴り終えると、目的のその場所へとたどり着いた。