「ぃ、ったた…。」



掌がじんじんして痛い。



咄嗟に手をついたときに擦りむいてしまったのだろうか。



そういえば、ぶつかった人は…?



「あ!香山さん!」



「ぇ?」


ぶつかってしまった相手を見ようとして前を向いたとき、突然誰かに名前を



呼ばれた。



「え?先生?」



「大丈夫?しっかり。ほら、立って!ちょうど今香山さんのクラスへ行こう



としてたのよ」



「あー、はい」



え、っと、つまり。



今この場にいるのは私と先生だけ。



ということは、ぶつかったのって…



「先生?!す、すみません!」



「あぁ、いいのよ」



「あ、あの、お怪我は…?」



「大丈夫よ。それより香山さん、ちょっと来てもらっていいかしら」



「…?…はい」



なんだろう。ていうか私、生徒会のこと話さないといけないんだけどな。



でも何か先生急いでるみたいだし。…走って私のクラスに来ようとするくらい



だもの。



とりあえず、先生のお話だけ聞こうかな。