ならばこの手で、未来を作ろうか。 足掻いてみれば見つかるかもしれない。 自分の手で未来を開かなければ。 ―「よしっ」 小さく呟いて、桜吹雪の中へと足を踏み入れた。 狂おしいほどに舞うそれを、ひとつひとつ確かめるように。 目の前が霞まないように、力を込めて。 一歩一歩、踏み出した。 ―この歩みを止めてしまう期限がすぐそこまで迫っていることなど、この時 の私は知りえもしない。