「着いたよ」



端的にそう告げられて目の前のお店を見る。



その佇まいに、てっきりフレンチレストランとかに行くものだと思っていた



から拍子抜けした。



そのお店はこじんまりとしていて、少し古臭いような印象を与えた。



だけど、その中にも趣を感じさせる店先。



美しく染め上げられた暖簾には…。



「料亭…舞桜?」