慣れない夜の町を歩く。



といっても、お店から漏れる灯りや街灯のおかげでちっとも暗くはない。



そのせいで、月や星は息を潜めてしまっているけれど。



「凜ちゃん、いっぱいケーキ食べたみたいだけど…」



ふと、隣を歩く先輩に暗い影が差す。



もしかしてなんか都合の悪いことがあったのかな。



でもケーキ食べただけだし…何だろう?



「夕飯、食べれる?」



「…っ」



捨て犬みたいな瞳を揺らして、こてんと首を傾げる先輩。