「…ってことだから、何かわからないことがあったら僕か志貴さんに聞いて



ね」



「はい、わかりました」



「じゃあ、今日はこれで終わり。志貴さんも来てくれてありがとう」



話が終わり、先輩が彼女へ視線を向けると、分かりやすく彼女の頬を赤ら



む。



そして「そんなことないよっ、玲くんのためならいつでも大丈夫!」と口に



して席を立っていた。








『―…私の先輩なのに。』








…え?



今のは、何?



心にもやがかかったみたいな感覚と、頭に浮かんだこの言葉。



’’ 私の ’’ なんて。そんなことあるはずがない。



先輩は先輩だ。誰のものでもない、はずなのに。