詐欺師の恋

中堀さんの家に着いて、明かりが灯っていないことに気付く。



当たり前なんだけど、そんなことも考える余裕が自分に無かったんだと知った。



運転手さんに待ってもらいながら、メリッサに渡された中堀さんのキーケースから家の鍵を探し当て、玄関の電気を点ける。





「大丈夫ですか?」





とりあえず玄関まで運んでもらって御礼を言うと、運転手さんが気遣ってくれた。






「大丈夫です。」





私は冬だというのに汗をかきながら、えへらと笑ってみせた。


明らかに人の良い運転手さんが帰ると、私は玄関で一人、うし!と気合を入れ、さすがに寝室まで上がることは無理なので、居間のソファまで運ぼうと試みる。




玄関に上がって、壁に寄りかかるようにしている中堀さんをひきずるようにしてみようかと思うけど。





「む、無理…」




なんてったって、中堀さんは背が高い。



タクシーの運転手さんだって、苦戦していたくらい。



細い分マシだけどねー。と言ってはいたけど。



細マッチョだから。



筋肉は重いの。